西本願寺門前に位置する龍谷ミュージアムは、2011年4月の開館以来、大学博物館の枠を超え、街に開かれた仏教総合博物館をコンセプトに、さまざまな展覧会を開催しています。
龍谷ミュージアムの展示は、春季企画展「大谷探検隊 吉川小一郎」、秋季特別展「仏教と夢」など、特定のテーマを掲げて構成される特別展や企画展のほかに、年2回のシリーズ展を開催しています。このシリーズ展「仏教の思想と文化-インドから日本へ-」は、仏教が誕生したインドを起点として、アジア各地に伝播し、極東の日本に根付いた仏教の軌跡を、本学が所蔵する多彩な文化財を軸に辿るものですが、館外の貴重な所蔵品とともに再構成され、シリーズ展の特別展示も毎回来館者に新鮮な感動をもたらしてくれます。また、どの展示においても、作品の背景にある当時の社会や人々、その中で育まれた豊かな思想や文化をわかりやすく紹介している点が特徴です。加えて、当館では、展示期間中、専門家による講演会はもちろん、当館学芸員によるスペシャルトークや様々なワークショップなど、展示作品の魅力が一層感じられるイベントが多数開催されています。
デジタル技術が進展し、膨大な情報がどこでも瞬時に得られる現代においてこそ、博物館に敢えて足を運び、実際に作品と対面するということ。古代の出土遺物でも中世・近現代の作品であっても、龍谷ミュージアムという空間のなかでそれら展示作品は、新たな生命を得て、来館された方々お一人お一人にそれぞれの物語を紡ぎ出してくれることでしょう。
龍谷ミュージアムは、大学という学術教育機関の博物館として、学生の学びや研究者の調査研究の場となるだけでなく、子どもからシニアまで、そして言葉の壁を超えて内外の方々に親しみを持っていただける魅力ある館を目指して参ります。皆様のご来館を心よりお待ちしております。
龍谷大学 龍谷ミュージアム
館長 福山 泰子