龍谷大学文学部博物館実習室では、学芸員課程の集大成として毎年12月に展覧会を開催しています。担当教員の指導のもと学生が主体となり、学んだ知識や技術を活用して展覧会の企画・調査・準備・運営等の学芸員の実務を実践します。
本年度で44回目を迎える2023年度龍谷大学博物館実習「十二月展」は、「天体」をテーマとして開催します。時代を問わず幅広く天体に関する展示品を収集することで、日常に存在する天体と人々とのつながり、そして人々の目に天体がどのように映っていたかを明らかにします。
古代から人々は日常に存在し続けた天体に興味を持ち、それらを観測し、記録した。そして、それらを時には畏怖の対象として捉え、時には学問としてより追求していった。本章では、天体観測の記録や天文学に関する展示品を通して、人々が当時、夜空や天体に何を思っていたか、それらをどのように捉えていたかを明らかにする。
「回天」という言葉には、「時勢を一変させる」という意味があり、「天」という漢字が用いられているため、天文学の考えが一変した当時の雰囲気に興味を持ってもらえる言葉であると考えた。本章では、日本で西洋天文学が取り入れられたことによって、幕末から明治時代にかけて暦が太陰暦から太陽暦へと変化していく様子や、天動説が信じられてきた江戸時代の日本で地動説が受容されるようになった過程を紹介していく。
古今東西を問わず、夜空は人々の祈りの対象とされてきた。本章では、人々が夜空を通して何を願ったのかに注目して、現在とは異なる意味をもっていた天体を感じ取ってもらう。月・北極星・北斗七星などといった個別の天体や星座への信仰に焦点をあてるとともに、その信仰の背景にある仏教、さらにそれに影響を与えた道教、そして近世に受容された西洋天文学との関係を明らかにする。
本章では、“月に込められた想いを尋ねる”をテーマとして、日本人が月に見出した多彩な美を紹介する。古代から人々の生活と共に在った夜空。その中でも特に月は、趣深さを感じさせる満ち欠けや雲隠れする様、暗い夜空の中で凛と輝く姿など、様々な佇まいで人々を魅了してきた。過去も今も変わりなく私たちを照らし続ける月に人々が寄せた想いを感じていただきたい。
2023年11月29日(水)〜 12月2日(土)
10:00 ~ 17:00
※最終日のみ16:30まで
(入館は閉館の30分前まで)
無料
龍谷ミュージアム2階展示室、
龍谷大学大宮キャンパス本館
龍谷大学大宮学舎
住所:京都市下京区七条通大宮東入大工町125-1
TEL:075-343-3311
FAX:075-343-4302
MAIL:bungakubuhakubutukan@gmail.com
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